自宅でおいしい【水出しコーヒー】を作ろう!コツと注意点をご紹介します
お湯で抽出したコーヒーとは一味違った味を出すことができるのが水出しコーヒーです。
水出しコーヒーでしか味わえない特有のマイルドさがあり、根強いファンも多い抽出方法です。
ここでは、そんな水出しコーヒー特有の「優しい味わい」を十分に生かしつつ、初めて水出しコーヒーに挑戦する人でも簡単に淹れることが出来るコツや注意点を3つずつご紹介します。
おいしい水出しコーヒーを作るコツ3つ
①使用するコーヒー豆の鮮度と挽き方
水出しコーヒーではコーヒー豆の味がそのまま抽出されてしまう為、豆の鮮度がとても重要です。
焙煎してから時間が経つと酸化してしまい、コーヒーが本来持つ酸味とは異なる酸味が出てきてしまいます。コーヒー本来の味を十分に感じるためにも、鮮度の良い豆(粉)の使用をお勧めします。
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こういった豆(粉)を使うだけでも、市販品とは全く違う風味を出すことができます。
また、豆も挽き方によっても味が変わります。
「水出しコーヒーは苦みや渋みが抑えられる」と書きましたが、あまりにも細かく挽いた豆を使用してしまうと雑味やエグ味が出てしまう場合があります。
そのため、中挽き程度が良いかと思います。
②使用する水と温度、温度変化
使用する水は硬水ではなく軟水がお薦めです。国内の水道水やミネラルウォーターは軟水です。
硬水にはカルシウムやマグネシウム、ミネラルといった美容と健康に良い成分が多く含まれているのですが、実はこれらの成分がコーヒーの味に影響してきます。硬水を使用すると、水出しコーヒーのメリットである「苦味が抑えられた優しい味わい」ではなく、どちらかというと苦味の強い仕上がりになります。
また、使用する水の温度でも仕上がりに差があります。
抽出時間を同じとした場合、
- 常温の水、常温の環境で作った水出しコーヒー=濃いコーヒー
- 冷水、もしくは冷やしながら作った水出しコーヒー=薄いコーヒー
となります。
また、同じ濃さのコーヒーを作る場合は、
- 常温の水、常温の環境で作った水出しコーヒー=抽出時間が短い
- 冷水、もしくは冷やしながら作った水出しコーヒー=抽出時間が長い
となります。
水出しコーヒーをアイスコーヒーとして飲むのであれば、冷水、もしくは初めから冷やしながら作った方が手間はかからないのですが、その条件下で濃いコーヒーを作りたいのであれば、粉の量を多くするか、抽出時間を長くしなければいけません。
”自分がどういうコーヒーを飲みたいかで水の温度を決めればよい”ということになります。
一番大事なのは”水の温度”ではなく、淹れる過程において極端な温度変化がないようにすることです。
”コーヒーは1℃温度が変化しただけで味に変化が出る”と言われるくらいデリケートなものですので、一定の温度で作るように注意する必要があります。
③少量のお湯で蒸す
水出しコーヒーは、渋みや苦味が抑えられたマイルドな味わいのコーヒーとなりますが、お湯を使って3分程度蒸すことで、マイルドさを残しつつコクのあるコーヒーを淹れることが出来ます。
パックタイプのコーヒーは深皿やタッパーなどにパックを置き、その上からパックが浸る程度のお湯を静かに注ぎます。そしてラップや蓋などをして蒸らしましょう。
コーヒーポットやウォータードリッパーの場合は、コーヒーの粉をフィルターに入れた後、粉全体を湿らせるようにお湯を静かに注ぎます。フィルターからお湯が染み出して来たら注ぐのはそこでストップです。フィルターに蓋をして蒸らしましょう。
お湯を注ぐ際、”静かに”というのもポイントです。
勢いよくお湯を注いでしまうと、粉に刺激を与え、豆の持つ苦味、エグ味といったものが出てきてしまいます。
蒸らすことで豆の旨み成分を最大限に引き出した後は、通常通りの作業で水出しコーヒーを作ります。
この“蒸す”という一手間を加えるだけで、水出しコーヒーがグッと本格的な味に近づきます。
水出しコーヒーを作る際の注意点
次に、水出しコーヒーを作る際の注意点を3つ上げたいと思います。
①作ろうとする量より少し多めの水を用意する
これはコーヒー豆が水分を吸収するためです。水分を吸収するのはコーヒー豆に限ったことではなく豆全般に言えることでもあります。
1Lのコーヒーを作りたいからといって1Lの水を用意したのでは、完成するコーヒーの量はそれ以下になってしまうので注意が必要です。
②コーヒーの粉に余計な刺激を与えない
コーヒーの粉をかき混ぜたり振ってみたりすれば、早くしっかり成分が抽出されそうな気がしませんか?
早く抽出されるという点は間違いとはいえませんが、豆に刺激を与えてしまうと苦味、エグ味、雑味といったものが出てしまいます。
そういったものを感じさせないという水出しコーヒーの利点をダメにしてしまう可能性がありますので、混ぜる、振るといった刺激は与えないように注意したほうが良いでしょう。
③抽出時間
コーヒーの粉を水につけたら後は数時間放置していれば勝手にコーヒーが出来る!というのが水出しコーヒーの特徴の一つですが、この放置時間も注意が必要です。
一般的な抽出時間は8時間程度であり、薄いコーヒーを飲みたい人は短め、濃いコーヒーを飲みたい人は長めにと、好みによって時間を変えればよいのですが、あまりにも長く抽出時間を取ってしまうと濃いコーヒーを通り越して渋みや雑味が出てきてしまいます。
水出しコーヒーだからこそできるマイルドな味わいを失うことになりますので、抽出時間も注意が必要と言えるでしょう。
以上が、「自宅でおいしい水出しコーヒーを作るコツと注意点」になります。
水出しコーヒーとお湯出しコーヒーの違い
コーヒーの味わいは、“コーヒー豆”だけでなく、抽出方法の違いによってもまた変化します。
ここでは、【水出しコーヒーとお湯出しコーヒーの違い】をご紹介します。
使用する器具の違い
まず、お湯出しコーヒーというと一般家庭によくある電気のコーヒーメーカー、あるいはカップやコーヒーサーバーの上に置いて使うドリッパー、サイフォンなどが思い浮かぶのではないでしょうか?
水出しコーヒーで使用する器具はというと、大きく分けると以下の3つになります。
①コーヒーポット
これは昆布や鰹節でだし汁を作るときに使うポットのようなものです。
ボトルの中にフィルターのついた容器が入っており、その中にコーヒー粉を入れて使います。
②ウォータードリッパー
お湯でコーヒーを淹れるときにも使う普通の“ドリッパー”とほぼ同じものになります。
お湯でコーヒーを淹れるときに使っているドリッパーを水出し用として使うことももちろんできますし、水出し専用のウォータードリッパーもあります。
③コーヒーパック
これは器具ではないのですが、麦茶を作る際と同じ原理で、パックの中に入っているのがコーヒーの粉というだけです。これを、水の中に入れるだけで出しコーヒーを作ることが出来ます。
コーヒーポットやウォータードリッパーは、構造等で分類するとさらに細かくなるかと思いますが、原理、機能、仕組み的にはほぼ同じものだと思いますので、水出しコーヒーに使用する器具は大きくこの3つと思って良いかと思います。
【抽出時間の違い】
次に抽出時間の違いですが、お湯を使用して淹れるコーヒーは、数分程度で完成します。もちろん淹れる量にもよりますが、数時間かかるということはないですよね。
一方水出しコーヒーの場合は、早くて数時間(最低3~4時間程度)、長いと一晩かけて抽出する、ということもあります。
抽出時間の違いは、水出し、お湯出しにおける大きな違いの一つですね。
【味わいや風味の違い】
さて、気になる味わいや風味。
もちろんこれもお湯と水とではかなり異なるものとなります。
一般的にお湯を使って淹れるコーヒーは酸味が強く引き出されます。同時に苦味や渋み成分も多くなります。
コーヒー豆には油分が含まれていますが、この油分はコーヒーの旨み成分とも言える、豆それぞれが持つ個性です。油分は水には溶けにくいですが、お湯には溶けやすい性質を持ちますので、お湯を使った場合はこの旨み成分をしっかり抽出することが出来ます。そのため、コク、苦味、酸味といったバランスのとれたコーヒーとなります。
一方、水を使った場合、お湯を使った場合とは正反対で、酸味や苦味、渋みは少なくなります。
コーヒーの苦味成分であるカフェインやタンニンが溶けにくいため、まろやかな優しい味わいとなります。
また前述の通り、水では豆の油分も溶けにくいため、ずっしりとした深い味わいではなく、さっぱりとした味わいになります。
油分が溶けにくいため、長期間保存しても酸化しにくく、味も落ちないという利点が水出しコーヒーにはあります。
【香りの違い】
最後に香りの違い。
お湯を使った場合はコーヒーの香りが飛んでしまいますが、水を使った場合は、豆本来の独特の香りが逃げることなく、豆の香りをしっかり感じ取ることが出来ます。
このように書くと、香りという点においては水出しの方が絶対良い!と思うかもしれません。しかし、もし使う豆の鮮度が悪い、品質が良く無いといった場合に水で淹れてしまうと、その豆自体の嫌な香りがしっかり抽出されてしまうという欠点があります。
お湯を使うことで豆の香りが飛んでいく特徴や性質を利用し、もし豆の状態が悪ければ、淹れたコーヒーの味に影響することが少ないお湯を使用することが望ましいといえます。
以上、水出しコーヒー、お湯出しコーヒーの違いをご紹介しました。
水出しコーヒー、お湯出しコーヒーは全く異なる性質をもつコーヒーと言えます。
どちらが美味しいと決めることは出来ません。
そもそも全く異なるコーヒーですので、比べること自体間違いでしょう。
自分のその時の気持ちや、飲みたい味、(抽出に)使える時間等で、水出しなのかお湯出しなのか選んでみてください。
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